公的保険制度の基本と必要保証額の考え方-ケース3(Journal of FP2022年10月号より)

Journal of FP2022年10月号の特集「公的保険制度を踏まえた生命保険プランニング」第2部「公的保証を踏まえた生命保険相談のポイント」「ケース3  1年後に自営業者として独立を検討中。共済脱退後の保険はどうすればいい?」の概要と感想です。

概要

相談者データ

  • 夫40歳国家公務員年収700万円、妻39歳専業主婦年収0万円
  • 官舎家賃5万円
  • 基本生活費480万円、貯蓄1500万円

夫の保険の必要保証額(希望プラン)

遺族に必要な金額
基本生活費(子の独立前、月額21万円X15年) 3,780万円
基本生活費(子の独立後、月額15万円X35年) 6,300万円
住居費(家賃月額10万円X50年+更新料) 6,250万円
教育費(中高大で私立) 2,509万円
その他臨時支出(20万円X15年) 300万円
子の結婚資金(100万円X2人) 200万円
葬儀費用 250万円
1億9,589万円
遺族の収入見込み額
遺族基礎年金(122.54万円X7.5年+100.16万円X2年) 1,119万円
65歳からの妻の老齢年金(77.78万円X25年) 1,945万円
児童手当 132万円
妻のパート(手取り10万円X25年) 3,000万円
現在の金融資産+退職金700万円 2,200万円
8,396万円
保険で備える保証額 1億1,193万円

夫の保険の必要保証額(堅実プラン)

遺族に必要な金額
基本生活費(子の独立前、月額21万円X15年) 3,780万円
基本生活費(子の独立後、月額15万円X35年) 6,300万円
住居費(家賃月額10万円X50年+更新料) 6,250万円
教育費(中高は公立、大は私立) 1,652万円
その他臨時支出(20万円X15年) 300万円
子の結婚資金(100万円X2人) 200万円
葬儀費用 250万円
1億8,732万円
遺族の収入見込み額
遺族基礎年金(122.54万円X7.5年+100.16万円X2年) 1,119万円
65歳からの妻の老齢年金+老齢厚生年金(105.41万円X25年) 2,635万円
児童手当 132万円
妻の収入(正社員15万円X20年、継続雇用10万円X5年) 4,200万円
子からの援助(5万円X10年X2人) 1,200万円
現在の金融資産+退職金700万円 2,200万円
8,396万円
保険で備える保証額 7,246万円

確認すべきこと

  1. 国民健康保険には扶養の概念がないため、妻や子も国民健康保険を負担する
  2. 自営業者には傷病手当、休業補償、雇用保険はない
  3. 独立後は夫婦それぞれで、国民年金保険料を負担する
  4. 共済年金加入期間が25年に満たないと遺族厚生年金は受け取れない

注意ポイント

  • 生活実態に合わせた収入・支出を確認する
  • 配偶者が就労可能なら、保険で備える遺族の生活資金は末子独立まで
  • 自営業者は就業不能状態への備えも必要
  • 住宅購入は在職中(国家公務員時代)の方が望ましい

感想

ケース2(必要保証額4,300万円)とケース3(必要保証額7,246万円)を比較すると、自営業者の保障の低さがよくわかる。自営業者は大きく儲けて、保険やNISA等で老後に備えることが必要。
私の基準では堅実プランの家賃10万円は贅沢すぎるとおもう。妻と子2人なので2LDK50m2くらいで十分。関東でも郊外に行けば7万くらいだと思う。安いエリアに行けば5万円でもある。住居費を3000万円くらい削減できるのでは?

関連記事

0 0
Article Rating
申し込む
注目する
guest
0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る